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2008年12月26日 (金)

エリック・ツァン

香港で買った「焦點影人 曾志偉」という、おそらく映画祭か何かで出版されたエリック・ツァンの特集本がめっぽう面白い。
日本では、知ってたとしてもコメディアンとしてか、「インファナル・アフェア」のヤクザのボスとしての認識ぐらいだろうが、香港ではプロデューサーで監督で俳優で脚本家で司会者でという、文字通りの「大ボス」だ。
スタントマン協会の前会長でもあるし(彼がスタントマンをやってたことは香港人もほとんど知らない)。

本の中から、興味深かった記述をいくつか(興味の無い人は何のこっちゃでしょうが)。

・シネマシティ時代は、純利の中からプロデューサー(もしくは企画)が7,5%、監督が10%を受け取ることになっていた。「悪漢探偵」は自分が両方兼任していて、1000万HKドル以上の儲けが出た。        
計算上は170万HKドルのボーナスがもらえるはずだったが、100万ドルの小切手しかもらえず、しかも「悪漢探偵」のパート2は予算をかけすぎて儲けが出ず、その年は収入ゼロになったから出て行くことにした。

・「大福星」はもともと自分は出る予定ではなかったが、クランクインしてから数日たってゴールデン・ハーベストのレオナルド・ホーが助けを求めてきた。
ジョン・シャムが出ないことになったので、彼が出ないバージョンの新しい脚本を書いてくれないかと言われたので、オーケーする代わりに日本行きのチケットを何枚かくれと言った。
そして4人の脚本家と一緒に日本に行き、1日であらすじを考え、2日目にそれぞれが10シーンずつ書き、3日目に交換して1冊にまとめた。4日目の帰りの飛行機で「霊幻道士」のアイディアまで作ってしまった(!)。

・監督をしていた「サンダーアーム 龍兄虎弟」でジャッキーが大ケガをしてしまい、自分達も香港に引き返す用意をしてたら、ゴールデン・ハーベストの人間が来て『ユーゴスラビア側との契約でこの映画の総予算は140万USドル。双方が70万USドルずつ出し合い、ただし140万USドル以下におさまった場合はこっちが全てカバーすることになっている。すでに85万USドル使ってしまっているので、このまま撮影をやめれば、こっちが全額払わなければならないが、お前が140万USドルを使い切ってくれると70万USドル支払うだけですむ。だから、何でもいいから撮影を続けてくれ』と言われた(←ホンマかいな?)。

・ゴールデン・ハーベストではブルース・リーやジャッキー、マイケル・ホイらの映画はすごく当たってるのに、それに見合う報酬が払われてないような気がしていた。
会社側はもちろんいろんな理由を挙げるけど、本当かどうかなんて自分達でやってみないことにはわからない。
そこでサモ・ハンに「七福星」を自分で投資して撮ることを提案した。1本やってみたらその前の「大福星」は実はいくらぐらい稼いでいたのか察しがつく。
そのあと自分も「十福星」を立ち上げてみた。カール・マックが何で映画界から引退したかわかるか?なぜなら、これで大儲けしたからだ。
当時カール・マックとサモ・ハンに持ちかけたよ。「もしやる気があるなら、オレに7日くれ。あんた方は主演をするだけで、あとはオレに任せてくれれば、それぞれ1000万HKドルはかたい。オレも200~300万HKドルは儲けが出るはずだから。7日だよ、たったの!」って。
当時カール・マックはシネマシティの宝、サモ・ハンはゴールデン・ハーベストの宝。ずいぶん恨まれたよ。

・・・見かけより、ずいぶんシャープな人みたいですなぁ・・・。

Image233 ・・・この笑顔の裏でいろいろ考えてるんでしょう、きっと。

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コメント

お久しぶりです。
ご活躍のご様子、いつも読ませていただいております。
アクションシーンについてのお話も興味深かったです。

先日「早熟」のエリック・ツァンを、劇場で見る事が出来ましたが、とってもよかったです。

ジャッキーたち香港スター軍団と、サッカーをしているビデオを見てしばらくしてから、サッカー選手だったことを知りました。

 コメディー専門のように思っていた時期もありましたが、今や香港映画になくてはならないベテラン俳優の一人になってしまいましたね。

 ちょっと早いですが、来年も健康と更なるご活躍を心からお祈りしております。

投稿: tik | 2008年12月26日 (金) 01時07分

貴重な裏話ですねぇ。

ところで
「十福星」の映画館のシーンで
スクリーンに映ってたのは
「龍的心」ですよね??
15歳の時に観て以来
一度も観てないから
気になってます。
陳友とかキャラクターが
あんなんだから乙女心が
傷付いたのです(笑)
劉徳華はカッコ良かった。

エリック・ツァンが
スマントマンをやっていたのを
私は知っていましたが
香港の人には
あまり知られていない事に
驚きました!?
今のスタント協会の会長は
エリック・ツァンじゃないのか…


個人的に好きな役は
「わすれな草」です。
と言っても出演作品は
そんなに観てないんですけど;

投稿: 寛子 | 2008年12月26日 (金) 14時23分

サッカー選手でもあり(!)スタントマンでもあり プロデュースや
脚本も手がけたり… 
その他にも色々とエリック・ツァンは本当に多才な方なのですね
コメディ色を強く感じていましたが 再認識させて頂きました
それにしても お金の動きの凄い事!!!

↓の話題に戻ってしまうのですが「葉問」広東語バージョンはドニーの
地声ですよね?
「画皮」DVDの広東語バージョンはアフレコが違う人で号泣しました
昔は他の人がやっているのが当たり前って感じだったので 諦めもついた
のですが… 公開作品が続いたツケかなと ちょいショックでありました 

投稿: June | 2008年12月28日 (日) 16時48分

tik さんへ

ごぶさたしてます。サッカーのドリームカップは当時見に行ってたのですが(87年のヤツ)、今見返すとエリック・ツァンがものすごく汚い言葉でカルロスを罵っていたので、ちょっと引きました(笑)。

寛子 さんへ

「十福星」の映画館のシーンで
スクリーンに映ってたのは
「龍的心」ですよね??

そうです。僕は陳友を見たのは「龍的心」が初めてだったので、どうしても「何か企んでそうな人」という刷り込みがされてしまってます(笑)。恐いですねえ・・・。

今のスタント協会の会長は
エリック・ツァンじゃないのか…

今はジャッキー御大です。

香港は40代以降の俳優の層が薄いから、エリック・ツァンのような人は貴重ですよね。

June さんへ

それにしても お金の動きの凄い事!!!

裏も表も大活躍って感じですね(笑)。

「画皮」DVDの広東語バージョンはアフレコが違う人で号泣しました

いやいや、広東語版の声は絶対ドニーですよ。・・・大体、「DVDの広東語版」って何のことなんだろう!? 海賊版では自分達で適当にアフレコして吹き替え版を作って(!)出してしまうことがありますから、それのことでは!?

投稿: 谷垣健治 | 2008年12月31日 (水) 17時51分

某アジアで正規版を買ったので(一応真面目に)パイレーツ版では
ないのですが… 
国/奥双語版を 奥語Set up状態で見るとドニーの声より やや高く鼻に
かかった感じ。 
○ピーしてお送りし 聞いて頂きたいけれど これはXですし(笑)
これを聞き違えていたのだったら 私ファン失格ですね… 

それはともかく 色々あった一年でしたが 新たな年が良き年となりますよう…
お元気で ご活躍くださいませ

投稿: June | 2008年12月31日 (水) 21時41分

June さんへ

いや、ドニーの声はかなり特徴があるし、「葉問」は言い回しまでも普段のドニーそっくりだから、本人だったらすぐわかるはずですけどねえ・・・。

やっぱり他人じゃないですか?

香港版を買って聞き比べるしかないのでは(買えということですね)?

投稿: 谷垣健治 | 2009年1月 3日 (土) 00時19分

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